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「だんの屋」店長の私が最初に小刀ホルダー"なるもの"を作ったのは、2011年頃であります。みなさんご存知の、二天一流「武蔵会」に出稽古に行った時にその存在を知りました。

当時から、ポーチや携帯電話ホルダーなどを加工して作ったものから革できれいに作ったものまで、ネット上にはいくつかの作例がアップしてありました。

「これはおもしろい!作りたい!」

私は仮にもプロダクトデザイナーであります。どうせなら、「少ない材料と少ない部品で簡単に作れるもの」を考えよう。そしてそれを「剣道五段への道」で公開してみんなが作れるようにしたら、喜んでもらえるんじゃないか・・・。と、こう考えました。

最初に作った小刀ホルダーがコレ(右写真)です。現在作っているものと基本構造は変わりません。これは本当に最初に作った試作品の写真です。2mm厚ぐらいの革で作ったペラペラのホルダーです。

この初期型小刀ホルダーの型紙をダウンロードして自作した二刀剣士さんが4名ほどいらっしゃいます。そのうち3名は海外の二刀剣士さんで、私宛に完成写真を送ってくれました。

それはもうびっくり! 大変うれしく思いました。

その後、少し厚い革を使ったり振れ止めの工夫をしてみたりと、今のType-Aの原型は少しずつ進化していきました。
また、作って欲しいという声があった時は、物物交換制で楽しくやりとりをしました。海外から来た二刀剣士さんにプレゼントすることもありました。

「Type-Bの原型モデル」

そして、次に作ったモデルがこちら(右写真)。

現在のType-Bの原型モデルです。

このデザインは、facebookで海外の二刀剣士さんとアイデアを出し合って生まれました。

このType-Bの原型も、革を厚くしたり振れ止めの工夫をするなどして進化させていきました。下の写真のものは、私のお気に入りとなりました。もうほとんど今のType-Bですね。

「もう物物交換は勘弁してくれ。」

2015年になるとは、facebookを通じてたくさんの二刀剣道家のみなさんと交流することとなりました。それと同時に、「小刀ホルダーを作ってよ!」という声もちらほら・・。作ってあげたいのはやまやまだけど、私はそれほどリッチな人ではありません。1個や2個ならともかく、たくさん作るのは経済的にも労力的にも大変です。

「じゃぁ作ってあげるから買ってくれ!」

「いいですよー。」

(マジかーーーーーー(汗)!)

自問自答する私・・・。

これはアルバイトか? はたまた商売なのか? 神様が与えた試練か?

言ったはいいが、お金を払って買ってもらうというのは大変なこと。私の作る小刀ホルダーにそんなクオリティがあるのか? 

そんな矢先に奇跡が起こりました。

革製品を量産するには、厚物が縫えるミシンが不可欠です。しかしそれは非常に特殊な工業用ミシンなので、たとえ中古品でも非常に高額です。なんとか入手できないか・・。そんな話を大学の先輩に何気なくしていたら、なんとその先輩の工房に腕ミシンが眠っていると言うではありませんか。

「腕ミシン、いる?」「いる!」「じゃあげるよ。」

(マジかーーーーーー(汗)!)

※後日きちんとお支払いをして買い取りました。

10年近く倉庫で眠っていた腕ミシン。

この腕ミシンのおかげで、「だんの屋」特製小刀ホルダーの量産が可能となりました。裏地を縫い付ける作業は、このミシンがあってこそ可能となりました。

「だんの屋」の刻印を自作し、またユーザーの名前を刻印するサービスも行い、「商品」としてのクオリティも上げることにしました。

「だんの屋」は決して商売上手ではありません。

しかし、剣道家のみなさんが喜んでいただけるようなものを丹念に作っていきたい。

そう考える店長なのであります。 みなさま、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

「だんの屋」店長 團野 博之

2016.1.29執筆


 
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